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Amazing Story #01アスリートを応援

スケート選手が
ケーキを製造?
競技と仕事を
両立できる環境で、

世界一への
チャレンジを支える。

菓子世界大会ファイナリストのパティシエを有するなど、世界最高峰の技術でお菓子文化を生み出してきたシュゼット。世界への挑戦はお菓子に留まることなく、スポーツの分野にも広がっている。例えば、2018年にスピードスケート選手を社員として迎えたこともその一環だ。なぜ、その挑戦に踏みきったのか。そして、アスリート本人の想いとは。入社第一号となったKさんと、氷上競技部設立に向けて奔走し、現在は部長を務めるHさんに話を聞いた。

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地元の学生が、
地元で就職
できないなんて。

シュゼットとスピードスケートとの出逢いは、2013年にまでさかのぼる。兵庫にあるシュゼットの物流センターのほど近くに、関西初のオールシーズンスケートリンク「ひょうご西宮アイスアリーナ」が誕生し、当社が西宮に本社を構えているご縁から、シュゼットが「アンリ・シャルパンティエ スケート教室」を始めたのが事の発端だった。そこで当時営業部長だったHさんは、関西の学生にまつわるある事実を知ることになる。

H:スケート教室の運営を通じて兵庫県のスケート連盟とやりとりするなかで、関西には仕事とスケートを両立できる会社がないということを知ったんです。それまで文武両道に励んできた優秀な関西の学生が、やむなく東京や愛知など県外へ就職している。関西にとっては非常にもったいないことですよね。そんな話を社内でしていたところ、社長から声をかけられたんです。「Hさん、シュゼットにスケート部つくりませんか?部長やりませんか?」と。シュゼットは地元を大事にしたい会社ですし、社内にはすでに世界に挑戦する若手のパティシエを応援する「工芸菓子部」という実績もありましたので「ほな、やりましょうか」と。そして、ちょうどその頃「優秀な学生がいる」とスケート連盟から紹介されたのが、Kくんでした。

K:社長と面談し内定をいただけたときは「関西に残れるんだ」とほっとしました。他に受けていた企業は関東がほとんどでしたから。でも、関東の企業でも夏場は長野へ行ったりローラースケートで練習したりといった環境。それまでは氷上で滑れていたので悩ましいなと思っていたところだったんです。実家が兵庫なので、シュゼットは通勤にも練習にもぴったりの環境でした。

社会人アスリートは
練習!練習!
の誤解。

晴れてスピードスケート選手第一号として、シュゼットに入社したKさん。しかし、氷上競技部が立ち上がったばかりということもあり、1年目は練習や勤務のバランスなど会社とともに手探りの状態がつづいたという。

K:アスリートの雇用が初めてだったので、予算や勤務体系などの指標がなかったんです。練習に行っていいのか勤務すべきなのか、連絡はどうするんだなど、かみ合わないことが多かったですね。でも、会社は私がもっと競技に集中できる環境を一緒になって考えてくれて、マネージャーをつけてくれるようになったんです。すべての窓口が一本化され、さまざまな申請業務も代行してもらえることで仕事と競技両方に集中できる環境が整いました。

Hさんいわく、Kさんの入社1年目と2年目では、社会人アスリートとして会社や仕事との向き合い方にも変化があったそうだ。

H:スポーツ選手ですから、練習が仕事だと思い1年目は「練習!練習!」と言っていました。しかし、2年目に金メダリストの指導経験もある方をコーチに迎えたとき「会社所属の選手は、きちんと働かないとだめだ」ということを教わったんです。仕事でほかの社員と交わるなかで理解を得ていくことが大切なんだと。そこからですね。冬場は練習に専念してもらい、オフシーズンは勤務してもらうという体制を整えたのは。一方で、その頃からKくんのInstagramを立ち上げたり、積極的に活動報告をしてもらったりしながら、全社で応援しようという雰囲気もつくっていきました。

K:ありがたかったですね。Instagramをフォローしていただいたり、「あれ見たよ!」と声をかけてくださる機会が増えただけでなく、2年目以降は試合の応援にも来ていただけるようになったんです。もちろんプレッシャーはありますが、僕にとってはモチベーションになっていました。社長が応援に駆けつけてくれた試合では好タイムが出るなど、職場になじむほど試合では好成績を収められるようになっていきました。

つづけることで、
風土が根付いていく。

2021年4月には、2人目のスケート選手であるSさんが入社。Kさんと会社とで築いてきた環境があったからこそ、Sさんはスムーズに社会人アスリートとしての道を歩み始めることができた。Hさんは、氷上競技部のこれまでを振り返りながら、アスリートを受け入れることについてこう語る。

H:前例のないことは苦労します。しかし、一度つくったものは強い。Kくんと一緒に手探りでつくってきた体制があったからこそ、Sさんを迎えることができました。いきなり3人、4人と迎えることはできないかもしれません。しかし、つづけていくことが大事だと思っています。これからも同じように一人ひとりと向き合いながら、しっかりと幹をつくり長く根付いていくようにしたいと考えています。

お菓子づくりとスポーツ。一見、何の関連性もなさそうだが、シュゼットの場合、常に世界最高峰へ挑むという点で両者は共鳴する。氷上競技部の世界一への挑戦は、まだ始まったばかり。地元から世界へ。シュゼット、そして選手の挑戦はつづく。

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