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Amazing Story #02驚きや喜びを演出するサービス

一度のおもてなしが、
一生の縁をむすぶ。
接客に、驚きや喜びを。

1969年、阪神芦屋駅前に喫茶店「アンリ・シャルパンティエ」を開業して半世紀超。今、シュゼットの各店舗には当時のお客様だけでなく、そのお子様やお孫様までもがご来店され世代を超えて愛されている。そのきっかけのひとつが、店舗販売を担うスタッフのおもてなしだ。お客様と接するかぎられた時間のなかで、どのように心をつかむのか。日々お客様と向き合う3名に語ってもらった。

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お菓子を買う、
その瞬間も楽しく。

シュゼットで働く一人ひとりが、お菓子で、世の中に驚きやよろこびを仕掛けていく人でありたい。そんな思いから、シュゼットでは“Amazing Sweets Creators”という人財ビジョンを掲げている。そのなかで現場の最前線で活躍するのが、店舗販売を行う接客部門だ。わずか2年半でセールスマネージャーになったSさんは、店舗づくりにおいて心がけていることを、次のように話してくれた。

S:前を通るだけで印象に残る店をつくりたいと思っています。それは、商品の陳列の仕方や声のかけ方ひとつとってもそう。何かお探しならさりげなくお声がけし、何気ない会話も交えながら親しみやすい店舗づくりを目指しています。

「買う瞬間から楽しい時間をつくる」ことが販売を担うスタッフの役割と語るのは、セールスマネージャーのDさん。

D:お菓子を食べる瞬間って、きまって楽しいものですよね。お祝いごとだったり、友達とひさしぶりに会う時間だったり。時には、サプライズでお渡しすることもあるかもしれない。でも私たちがご提供したいのは、それだけではありません。「買う瞬間から楽しい」と思っていただける時間をつくりたいんです。わくわくしながら商品を選んでいただければ、持って帰って食べるその時間も楽しくすることができますから。

半世紀以上にわたる歴史のなかで、現在は販売していないお菓子を求めて、お越しになる方もいるそうだ。しかし、そんなときこそ、販売スタッフの腕の見せどころだという。

D:単に「今は販売しておりません」と答えるのではなく、たとえば「あれ、おいしかったですよね!あの頃から当店をご利用いただいていたのですか」とまずは感謝をお伝えします。そして、どんなシーンで召し上がっていたのかなどお話を伺いながら、お求めの商品をご用意できないことをお伝えしつつ、代わりとなる商品をご案内するようにしています。せっかくお越しいただいたのに、がっかりさせるわけにはいきませんから。

想像を超えると、
おもてなしになる。

おいしいお菓子がある。笑顔のスタッフがいる。一般的にはそれだけで十分いいお店と言えるかもしれない。しかし、シュゼットの接客は他の菓子店とは一線を画す。例えば、Sさんはこんなエピソードを語ってくれた。

S:ある年配の方がひとりで、雨の降る日にお越しになったときのこと。両手に濡れた傘だけでなくいくつも荷物を持たれていたので、ご購入いただいた商品だけでなく、すべておまとめして雨除けカバーをかけたうえで駐車場までお持ちしました。すると、そのお客様が店舗の入っている百貨店にわざわざお礼のお電話をくださったんです。

シュゼットにあるそんなエピソードは、ひとつやふたつではない。お客様がわざわざお礼を伝えたくなるような接客は、どのようにして生まれているのか。銀座メゾン アンリ・シャルパンティエを立ち上げた経験も持つ、セールスマネージャーのKさんはこう語る。

K:お褒めいただける行動には、メカニズムがあると思っています。それは、「お客様が困っていることに対して、できる範囲で一生懸命、さわやかに対処する」ということ。そのためにはまず、お客様を観察し、お困りのことを発見する能力が欠かせません。年齢やご来店される頻度、電車で来られたのか車で来られたのか。同じお客様、同じシチュエーションは二度とやってきません。目に見える情報やお話しされる内容からお困りのことを見つけ、さもあたりまえかのように、さわやかに対処することが大切です。

そんな対応を、私たちはときに「おもてなし」と呼ぶ。一般的なサービスとおもてなしの違いについて、Dさんはこう語ってくれた。

D:新人の頃に教わった、サービスとおもてなしの違い。それは、サービスは「やってあたりまえ」のことで、おもてなしは「お客様の想像を超える」こと。お客様の立場で「ここまではやってくれるだろうな」という想像を超えることが、感動を生むんです。そのためにはやはり、お客様をよく観察すること。たとえば、お釣りをお渡しするときに、お札入れと小銭入れのどちらを開けていらっしゃるかな、といった細かい部分まで見逃さないように心がけています。

一度の接客が、
一生の縁になる。

店舗での成果をはかるとき、どの商品がいくつ売れたか、売上はいくらだったかという数字はもちろん重要な指標だ。しかし、シュゼットの各ブランドの店舗が果たすべき役割は、それにとどまらないとKさんはいう。

K:店頭での接客を担う私たちのお仕事には、50年先までお客様をつなぐという役割があると考えています。シュゼットには、二世代、三世代でお越しになるお客様がめずらしくありません。例えば、母の日にアンリ・シャルパンティエのお菓子をおばあちゃんに買って行ったら、若い頃、芦屋の店舗でおじいちゃんとデートしていたという思い出話を聞けたという方や、お子様の内祝いでご利用いただいてから毎年、誕生日ケーキを買ってくださる方もいます。つまり、きょうの接客が、10年後、30年後、そして50年後も愛していただくきっかけになるかもしれないのです。それは、きょうティラミスが1個売れたという事実以上に、私たちが肝に銘じるべきことだと感じています。

一人ひとりが、シュゼットの販売スタッフのプロとして、誇りを持ち、お客様の想像を超えるおもてなしに挑戦していく。その在り方こそがシュゼットらしいおもてなし。これこそが最大の魅力であり各ブランドの店舗が果たすべき役割かもしれない。

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